百貨店の阪急うめだ本店=大阪市北区で2020年6月27日、稲垣淳撮影

 阪急と阪神の両百貨店を展開するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが15日発表した2024年3月期連結決算は、売上高が前期比4・7%増の6574億円、最終(当期)利益が33・7%増の219億円となり、いずれも過去最高だった。インバウンド(訪日客)需要の回復が追い風となり、百貨店事業がけん引した。

 本業のもうけを示す営業利益は2・3倍の261億円に上り、このうち百貨店事業が216億円を占めた。百貨店は円安で客単価も上昇しており、インバウンド売上高は新型コロナウイルス禍前の19年3月期(406億円)の2倍近い802億円に達した。38年ぶりの日本一を果たした阪神タイガースの関連セールは5億円の売り上げがあった。

 大阪市内で記者会見した荒木直也社長は「円安で海外旅行が難しくなり、消費が百貨店に向いた。想定を上回るインバウンド需要の回復も大きかった」と説明した。25年3月期もインバウンド需要が継続すると見込み、連結業績予想は売上高が6・5%増の7000億円、最終利益は18・7%増の260億円とした。【橋本陵汰】

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