16日の東京株式市場で三和ホールディングス株が続伸した。一時は2849円をつけ、前日につけた上場来高値2850円に迫った。13日午前の取引終了後に発表した2024年3月期の連結決算で営業利益率が過去最高の10.7%に達した収益力の高さや、積極的な株主還元を好感した買いを集めた。終値は前日比0.34%高い2834円50銭だった。

24年3月期の売上高は前の期比4%増の6111億円、営業利益は16%増の653億円、純利益は31%増の432億円だった。売上高、利益のいずれも過去最高を更新。国内ではビルやマンション向けのドアや間仕切りなどが伸びた。材料費の上昇などコスト増を、価格転嫁で補った。連結売上高の過半を海外が占め、外為市場で進んだ円安も利益を押し上げた。

好調な業績を背景に株主還元も増やす。24年3月期の1株当たり配当を前の期比20円増の78円にしたほか、50億円を上限とする自社株買いも実施する方針だ。

25年3月期について会社側は、米州での販売価格下落による減益を見込むが、2桁の営業利益率は維持する方針。市場でも「為替前提が1ドル=142円で、円安による上振れも期待できる」(野村証券の浜川友吾リサーチアナリスト)との見方が出ている。

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