【ニューヨーク=吉田圭織】米食品医薬品局(FDA)は16日までに子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の検査で細胞の自己採取を承認した。自己採取を可能にすることで、がんの早期発見につながる検査のさらなる普及が期待されている。
自己摂取が承認されたのはスイスの製薬大手ロシュと米医療機器大手ベクトン・ディッキンソンの検査キット。病院やクリニック、薬局で自分で採取する。米メディアによれば、FDAは近く自宅でも採取できる別の検査キットを承認する可能性がある。
ほぼ全ての種類の子宮頸がんはHPVと関連している。これまでの検査は子宮頸部からへらのような器具で細胞を医者が採取する方法が一般的だった。だが、この採取方法に抵抗感がある人が多いほか、近くに医療従事者がいない場所では検査を受けにくい。自己採取ができれば検査をする人が増えると期待されている。
米国がん協会(ACS)のウィリアム・デーハット最高科学責任者(CSO)は「子宮頸がん患者の大半は一度も検査を受けたことがない人や、しばらく検査していない人に多い」とコメントした。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国でHPVが原因とされるがんの発症件数は年間推計で約3万7000件。そのうち子宮頸がんは約1万件となる。
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