ニューヨーク証券取引所などが集まる金融街ウォールストリート=米ニューヨーク市で2022年12月、大久保渉撮影

 16日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は一時、前日終値比143・05ドル高の4万51・05ドルまで上昇し、史上初めて4万ドルの大台を突破した。物価上昇(インフレ)再燃の不安が和らぎ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が強まった。取引終盤にかけて利益確定のための売りが優勢となり、終値は3万9869・38ドルだった。

 15日に発表された4月の米消費者物価指数の上昇率が縮小したことで、市場が警戒していた「物価抑制のためFRBの利下げ開始時期が大幅に遅れる」との不安が後退した。小売り大手ウォルマートが16日に発表した2~4月期決算が市場予想を上回ったことも好材料となり、ダウ平均は値上がりして取引が始まり、午前中に4万ドルを突破した。

 ダウ平均は2023年12月以降、FRBの早期利下げ期待に加え、人工知能(AI)ブームを背景にしたハイテク企業の好業績に支えられ、最高値の更新が続いた。3月28日には終値ベースで3万9807・37ドルの高値をつけた。

 だが、その後はインフレ圧力の根強さを示す経済指標が相次ぎ、FRBによる早期利下げ期待が後退。ダウ平均は4月中旬に3万7000ドル台まで下落していた。【ワシントン大久保渉】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。