大阪ガスは17日、水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガス原料を合成する「メタネーション」プラントの竣工式を大阪市此花区で開いた。7月まで実証稼働した後、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場に移設し厨房などにガスを供給する。
大ガスの後藤暢茂常務執行役員は冒頭挨拶で「万博のカーボンニュートラル化に寄与したい」と語った。メタネーションで合成した「eメタン」はCO2排出が実質ゼロで、脱炭素化に向けた都市ガスの次世代原料として期待されている。
7月までの実証ではライフコーポレーションのスーパーから提供される1日1トンの生ごみから、バイオガスを精製。バイオガスに含まれるCO2と再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」を合成してeメタンをつくる。プラントの一部は日立造船が手掛けた。
万博開催時は会場で出た生ごみや大気中から回収したCO2を用いて、約170世帯分の消費量にあたるeメタンを合成する。環境省の吉野議章・地球温暖化対策課長は「万博で今回の実証設備を世界に発信し、脱炭素での先導的な役割を果たすことを期待したい」と語った。
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