全品種で価格を据え置くのは4カ月連続だ

東京製鉄は20日、6月契約分の鋼材価格を全品種で前月から据え置くと発表した。国内では建設向けを中心に需要が引き続き弱い。海外市場でも中国からの大量輸出で余剰感が生じている。相場の底入れタイミングを見極めるため、値上げを見送った。

全品種で価格を据え置くのは4カ月連続。鉄骨造(S造)のビルで柱や梁(はり)に使うH形鋼を1トン12万7000円、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物に使う異形棒鋼を同9万8000円とした。

製造業で幅広く使う熱延鋼板を巻き取った「ホットコイル」は同10万7000円、厚鋼板は同11万8000円とした。

国内では現場の人手不足を背景に建設業者が受注を絞っており、建材の引き合いが鈍い。内需が弱い中国が余った鋼材を周辺国に輸出し、価格を押し下げている。東京製鉄の小松崎裕司取締役は「国内の流通在庫では一部商材で不足感が出てきており、需給の引き締まりが相場反転につながりうる」と期待する。

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