ペロブスカイト型太陽電池 「ペロブスカイト」と呼ぶ特殊な構造の材料を用いた次世代型の太陽電池のこと。電極や封止フィルムを重ねても厚さがおよそ1ミリメートルと非常に薄く、軽くて折り曲げることができる。広く普及する既存のシリコン製の太陽電池では設置が難しかったビルの壁や窓、湾曲した屋根にも置ける。重さも気にならず、工場や倉庫といった建物の屋根にも設置しやすい。

桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授らが2009年に発表した論文がもとになっている。太陽光を電気に変換する効率が実験室レベルでは20%を超え、シリコン製に匹敵する。発電に必要な材料のヨウ素や鉛などからできた結晶の層を、電気を通す金属酸化物の膜や有機物の膜で挟む。普及に向けては発電コストの低減や耐久性の向上が課題となる。

ペロブスカイト型にはフィルム型とガラス型がある。フィルム型は積水化学工業が開発を進める。パナソニックホールディングスなどが開発しているのはガラス型で、中国勢の技術開発も盛んで競争が激化している。タンデム型と呼ぶタイプもある。既存のシリコン製と組み合わせた製品で、原料となるシリコンは中国に依存せざるをえない。

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