【ヒューストン=花房良祐】プラント大手の米ザクリー・ホールディングスは21日、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。千代田化工建設などと設計や工事を手掛ける米南部テキサス州の液化天然ガス(LNG)プラント「ゴールデンパス」のコスト上昇が打撃となった。

国営カタールエナジーが70%、石油メジャーの米エクソンモービルが30%を出資するLNG事業「ゴールデンパス」は、ザクリーを筆頭とする企業連合に設計・資材調達・工事を発注していた。米メディアによると、契約額は約100億ドル(約1兆6000億円)。

ザクリーと米マクダーモットが工事、千代田化工が設計と資材調達を主に担当している。設計・資材調達・工事はすでに75%が終了した。ザクリーは工事から離脱する方針。テキサス州の裁判所に提出された資料によると、ザクリーの資産と負債はそれぞれ推計で10億〜100億ドルの範囲だ。

米国ではインフレが深刻化しており、労働・物流コストの上昇が資金繰りに響いた。新型コロナウイルス禍で供給網(サプライチェーン)が寸断されたことも逆風だった。

エクソンは25年前半にプラントを稼働させる方針を表明しているが、ずれ込む可能性もある。年産能力は世界最大のLNG輸出国である米国の約2割に相当する大型プラントだ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。