▼iPS細胞 京都大学の山中伸弥教授らがマウスを使って2006年に報告した「万能細胞」の一つ。07年にヒトのiPS細胞の作製に成功した。山中教授は、その功績から12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
あらゆる細胞・組織に分化する万能細胞ではES細胞もあるが倫理面の問題で実用化に時間がかかっている。iPS細胞は皮膚や血液の細胞に特定の遺伝子を導入し、未分化の幹細胞に戻す仕組みで、倫理面の課題もないため、再生医療の本命として期待が高まる。脳の神経や網膜の病気など既存の治療法では難しかった難病治療への応用が期待されている。
医薬品としての開発では患者自身の細胞を使う「自家」と呼ばれる手法と健康な第三者の細胞からつくる「他家」と呼ばれる2つの方法がある。自家は拒絶反応を抑えられる一方で、採取から医薬品としての製品化まで時間がかかる。他家は大量に複製してストックできる利点があるが、拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤などが必要となる。
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