住友ゴム工業と山梨県は27日、住友ゴムの白河工場(福島県白河市)に山梨県などが開発したグリーン水素の製造装置を2024年内に導入すると発表した。タイヤ製造時に使う熱源を都市ガス由来から再生可能エネルギー由来に転換し、輸送を含めた供給網全体の二酸化炭素(CO2)排出量「スコープ3」で約1000トン削減する。
白河工場内に500キロワット級の水素製造装置を設置し、25年4月の稼働開始を予定する。導入には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受ける。
工場に設置済みの太陽光発電の電力を利用して水を電気分解し、年間約100トンの水素を作り出す計画だ。タイヤの製造工程に必要な高温蒸気を水素を原料にしたボイラーで供給し、CO2の削減につなげる。
白河工場では23年1月に水素ボイラーが稼働し、水素エネルギーを燃料とするタイヤ製造の実証実験を始めた。現在、同工場で使用している水素は全体の使用エネルギーの数%という。27日の記者会見で山本悟社長は「まずは白河工場内で製造ラインの拡大も含めて確立し、30年以降には国内外にある他の工場にも歩を進めたい」と語った。
山梨県、東レ、東京電力ホールディングスが出資するやまなしハイドロジェンカンパニー(甲府市)は地域の再エネを活用してグリーン水素を製造するシステムの普及を目指す。このシステムの導入は同県の開発拠点を除いて住友ゴムが全国で5例目となる。長崎幸太郎知事は「水素が安定製造に寄与することを様々な業態で実証していきたい」と話した。
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