日新電機が販売している下水処理施設の監視制御システムの画面イメージ

日新電機は27日、人工知能(AI)を活用して下水処理場を効率よく運転管理する技術を開発するため、日本下水道事業団と共同研究を始めたと発表した。処理水質を管理基準値内に収めつつ、さらなる省エネ効果を実現する新たな制御技術の実用化につなげる。

下水処理では沈殿や消毒のほかに、微生物による有機物の分解作用で水をきれいにする。微生物の活動は水中に空気を送って制御している。温度や季節によっても活動が変動するため、最終的な水質は熟練の作業員のチェックが欠かせない。

AIシステムの導入で過剰に空気を送り込まないよう抑制するほか、経験の浅い作業員の判断を手助けする。将来は予測に基づいた設備の自動制御を視野に入れる。人口減少や老朽化などで下水処理場の運営が厳しさを増す中、効率的な運転を目指す。

日新電機は40年以上にわたり下水処理施設の監視制御システムを手掛ける。これまでに蓄積したデータをもとに、2020年に処理水質のAI予測技術を開発した。

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