損害保険ジャパン本社(東京都新宿区)

SOMPOホールディングスは28日、2024年度から3カ年の中期経営計画を発表した。政策保有株式の売却益(税引き後)の50%を自社株買いなどで株主還元する方針を明らかにした。人材の育成に300億円規模を投資し、専門性を磨くことで政策株や企業への営業協力に頼らない営業モデルの確立につなげる。

同社は時価ベースで約1兆8000億円の政策株を抱え、31年3月末までに残高をゼロにする目標を打ち出している。まず24〜26年度の3年間で6000億円以上を削減する計画だ。株主還元を強化するほか、売却によって得られる資金を使って成長が見込める海外でのM&A(合併・買収)も検討する。

企業向け保険料を事前調整していた一連の問題では提案の内容や保険料でなく、政策株の保有割合や取引先に対する過度な営業協力が保険契約の決め手になっている実態が浮き彫りになった。リスクを正しく認識し、商品設計や保険料率の設定に反映させるアンダーライティング(引き受け)力が重みを増している。新中計には人材育成に300億円規模を充てる計画も盛り込んだ。

自動車保険の収益環境は厳しさを増している。100%を超えれば赤字、下回れば黒字となる「コンバインド・レシオ」という指標で、柱の国内損保事業は23年度で99.3%とわずかに黒字を確保できる水準だった。新中計では26年度に95%未満に改善する計画を打ち出した。

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