三菱自動車の子会社は巨額賠償に対する判決に不服控訴した

三菱自動車は29日、製造物責任を巡る訴訟で、米ペンシルベニア州の地方裁判所の判決を不服として同州の上級裁判所に米国の子会社が控訴を提起したと発表した。一審では交通事故で傷害を受けた男性とその配偶者に日本円にして約1570億円の損害賠償の支払いを命じる判決が出ていた。

2017年に発生した交通事故を巡る訴訟で争っている。三菱自によると、原告側の男性は1992年モデルの三菱3000GTを運転していた際、2車線の道路で前方の車を追い越そうとしたところ、コントロールを失い事故を起こした。男性はこの事故で重傷を負った。

原告側は運転時にシートベルトを着用していたが、ベルトの設計に欠陥があったとして、18年11月に三菱自動車と米国の子会社、ミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ(MMNA)に損害賠償を求め、訴えていた。

一審判決ではペンシルベニア州の地方裁判所がMMNAに対し、10億1000万ドルの支払いを命じた。金額は三菱自の24年3月期連結純利益(1547億円)にほぼ相当する。

MMNAはこの判決を不服とし、米国現地時間の5月28日に上級裁判所に控訴を申し立てた。三菱自は「車両は米国の法規に適合しており、安全性に問題はない」(広報)と話している。

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