グラングリーン大阪の先行開業100日前の記念セレモニーを開いた(29日、大阪市北区)

JR大阪駅北側の大型再開発プロジェクト「グラングリーン大阪(うめきた2期)」で29日、先行開業まで100日を迎えた。ホンダがソフトウエア開発拠点の新設を発表したほか、公園など街区の管理運営にはパナソニックグループやキリンビール、三菱電機などが新たに参画する。「大阪最後の一等地」と呼ばれた再開発の総仕上げとして、産官学による街づくりの概要が固まってきた。

同日に記念イベントを行い、大阪府の吉村洋文知事や大阪市の横山英幸市長が近隣の幼稚園児と植樹を行った。吉村府知事は「関西ひいては日本全体の、新たな経済拠点になると確信している」と期待を寄せた。三菱地所の神林祐一グラングリーン大阪室長は「緑の公園を中心とした開発で中長期的に街の価値が高まる」と、今後の不動産開発のモデルになると語った。

9月6日に、まず北街区の複合ビルと公園エリアの一部が先行開業し、2027年度までに他のビルや施設、公園が順次開業する。

グラングリーン大阪は街区の中心を大規模な都市公園が占める(29日、大阪市北区)

グラングリーン大阪は都市再生機構(UR)と大阪市が所有する旧梅田貨物駅跡地の約9万1000平方メートルで、三菱地所や積水ハウスなど民間事業者9社が開発を手がける。竹中工務店と大林組の共同企業体(JV)が施工する。

合計11万3000平方メートルのオフィスには、クボタが本社を移すことを決めており、他にも複数社が本社機能を移転する。テナント企業は約200社、就業者は1万人の規模になる。三菱地所によると、足元でのテナントの内定率は見込みも含めると6割にのぼる。

大阪大学や立命館大学のサテライト拠点も入居する産官学のイノベーション拠点「JAM BASE(ジャムベース)」では、個人へのデスク貸しやサロン会員のプレエントリーを始めた。北街区の複合ビル上層階のホテル「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」でも予約を開始した。

13年に「グランフロント大阪(うめきた1期)」が開業し、大型商業施設を中心に消費が活性化した。建設業界で資材高や作業員不足の懸念もあったなか、第2期の先行街びらきで25年国際博覧会(大阪・関西万博)への機運を高める。万博で国内外から2800万人の来訪を見込むなか、グローバルなビジネス拠点としての発信が本格化する。

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