国際通貨基金(IMF)は29日、今年の中国の経済成長率の見通しを4月時点から0.4ポイント引き上げ、5.0%になるとの予想を公表した。1~3月期の国内総生産(GDP)が堅調だったことや、苦境が続く不動産業界に対する政府の支援策を評価した。中国政府は今年の成長率目標を昨年と同じ5%前後に据え置いており、達成できるかどうかに注目が集まっている。

 IMFのギータ・ゴピナート筆頭副専務理事らが訪中し、北京市内で会見を開いた。2025年の成長率予想も4月時点から0.4ポイント引き上げ、4.5%を見込む。

 今年1~3月期のGDPは前年同期比5.3%と堅調だった。また、中国政府は今月、国内の住宅在庫を地方政府に買い取らせ、中低所得者向けの安価な住宅に転換する方針を示した。ゴピナート氏はこうした政策を「歓迎すべき措置」と評価した。

 現在の不動産政策は続ける必要があるとの見方を示しつつ、予想以上の長期化により経済全体へのリスクは高まっているとして、「より包括的な政策パッケージの余地がある」などと指摘した。

 中期的な見通しについては、高齢化などの影響で29年には成長率が3.3%に減速すると予想した。(北京=鈴木友里子)

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