2025年に稼働40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転期間が、最長20年間延長されることが決まった。60年間の運転が実現できれば、電力の安定供給や将来的な脱炭素につながる。燃料高騰リスクを抱える火力発電への依存を減らせることで電気料金も一定程度に抑えられる。
原子力規制委員会による認可を受けて関電は29日、「原子力発電所の安全性、信頼性の向上に努め、原子力発電を重要な電源として活用していく」とのコメントを発表した。
40年超の運転が認められた関電の原発は5基となる。消費電力が爆発的に増える生成AI(人工知能)の普及やデータセンターの市場拡大が見込まれるなか、原発をなるべく長く稼働させることは同社の経営課題の一つとなっている。
60年間の運転に向け、関電には厳格な安全管理が求められそうだ。25年以降、10年おきに「長期施設管理計画」の提出が必要になる。原子炉や格納容器など経年劣化を評価。機器や材料などサプライチェーン(供給網)も一部で細ってきているが、この先も守り続ける必要があり、国から維持計画を求められる。
使用済み核燃料の中間貯蔵施設や保管方法についても決着をみていない。長期運転には核燃料サイクルも含めたエネルギー管理体制の構築が条件となる。
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