経団連の十倉雅和会長は31日の定時総会を経て4年間の任期の最終年に入る。総会に先立ち毎日新聞などのインタビューに応じた十倉会長は「公正公平で活力ある日本を取り戻すために尽力したい」と述べ、高齢者数がピークを迎える2040年ごろをターゲットに持続可能で公平公正な経済・社会を実現するための中期ビジョンを策定する考えを示した。
十倉会長は「我が国は少子高齢化・人口減少という制約と、資源を持たない島国という大きな制約に直面している」と指摘。こうした課題に対し、全世代型社会保障制度のあり方や、地域経済社会のあり方など六つの観点から議論を重ね「フューチャーデザイン2040」(仮称)としてとりまとめ、来年1月にも公表する考えを明らかにした。また、産業競争力確保に向け、外国人労働者の受け入れ環境などを議論する「外国人政策委員会」を新設する。
一方で、焦点となる後任会長については「もう打診しているとか、もう決めているということは一切ない」とした。そのうえで「社会経済全体のことを大局的に捉え、経済界の意見をまとめて発信できる方を選びたい」と述べた。【道永竜命】
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