ふくおかフィナンシャルグループ(FG)の五島久社長(福岡銀行頭取)は31日、赤字が続く傘下のデジタル専業銀行「みんなの銀行」について「2027年度の黒字化に向けて全力を尽くす」と強調した。28日の投資家向け説明会で27年度までに黒字転換が見通せない場合には「撤退や事業転換の検討もあり得る」と説明していた。
31日に福岡市内で記者会見を開いた。五島社長はみんなの銀行の撤退可能性に言及したことを認めた上で「投資家から(みんなの銀行が)うまくいかないときの『プランB』はないのか、ふくおかFG自体の成長を阻害すると困るという質問がある」と説明。「昨年以降そうした声が強まっており、説明させてもらった」と明かした。
五島社長は「いま具体的に撤退を考えているということではない。新規事業は毎年進捗を確認しながら継続を議論しており、みんなの銀行も同じだ」とも話した。そのうえで「27年度黒字化の目標に変更はない」とし、あくまで黒字化に取り組むのが前提と強調した。
みんなの銀行はイオン系のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)などと金融サービスで連携している。今後は全国で商圏を持つ企業などと連携し、顧客基盤を広げて黒字化する考えを説明した。何社との連携で黒字に至るかは「社内でシミュレーションしているが内容は控える」(五島社長)とした。
【関連記事】
- ・ふくおかFG社長、みんなの銀行「年度内に撤退判断」
- ・ふくおかFG、24年3月期の利益倍増 みんなの銀行を増資
- ・みんなの銀行、11社とサービス連携 アプリで相互送客
- ・ふくおかFG傘下のデジタル銀行、香港系証券会社と連携
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。