日産自動車の内田誠社長は31日、横浜市内で記者会見し、3月に公正取引委員会から下請法違反で勧告を受けたことへの対応策を発表した。社長直轄の改革推進室を6月に設置、取引先が匿名で日産の問題行為などを通報できる仕組みも整備する。公取委の勧告後も下請け企業に対して不適切な減額要請を続けた疑いについては、外部弁護士による調査で確認されなかったと説明した。

公取委によると、日産は2021年1月から2年以上にわたって、自動車部品を製造する下請け企業に対して発注時よりも少ない金額を支払っていた。引き下げは一方的に行われ、減額分は合計で30億円超と、これまでに同法で違反認定されたケースでは最高額に上っている。

内田氏は会見で、自身の監督責任を明確にするため、4月から3カ月間、月次報酬の30%を返上していることを明らかにした。社長直轄の改革推進室を通じ取引先との関係改善を指揮する。

記者会見する日産自動車の内田誠社長=31日午後、横浜市西区

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