石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で作るOPECプラスは2日、閣僚級会合をオンラインで開き、協調減産と一部の国々の自主減産を合わせた総額日量586万バレルの減産態勢を維持することで合意した。世界の総需要の約5%となる減産水準を保つことで、米国や中国など大消費国の経済見通しや中東情勢が不透明な中で価格の下支えを狙う。
各国は年末までの予定だった協調減産を2025年末まで継続することを決めた。また、ロイター通信によると、サウジアラビアやロシア、アラブ首長国連邦(UAE)など8カ国が実施している日量約220万バレルの自主減産も、6月末に迫っていた期限を9月末まで延長する。10月以降は市況を見ながら段階的に減産幅を縮小するという。
足元の原油価格は、イスラエルとイランの間で緊張が高まった4月に比べると下落傾向にある。国際的な指標となるニューヨーク原油先物相場は、最近では1バレル=78ドル前後で推移している。
中東情勢の不安定化への懸念が価格を下支えしている一方、米国で物価上昇(インフレ)が予想より長引いていることや、中国経済の先行きの不透明さが重しとなっている。国際エネルギー機関(IEA)は5月、24年の石油需要の前年比の伸びを4月の前回予想から日量14万バレル引き下げていた。
会合は当初、OPEC本部があるウィーンで1日に開催予定だったが2日に延期され、オンライン開催となった。ただ、ロイター通信によると、主に自主減産をしている国の閣僚など一部はサウジの首都リヤドに直接集まった。財政収入確保のため減産の長期化に消極的な国もあり、調整が必要だったとみられる。
次回会合は12月1日に開かれる。【ブリュッセル岡大介】
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