車両重量を法規より厳しい条件に設定していた

ホンダは3日、生産を終えた22車種で騒音試験に不適切な行為があったと発表した。車両重量を法規より厳しい条件に設定していた。2009年2月〜17年10月の期間で、軽自動車「N-BOX」やセダン型「アコード」などが対象となる。法規に関わる完成車性能への影響はない。販売中の四輪車などでは不適切な検査はないとした。

ホンダは騒音試験法規で法規で定めた試験車両の重量設定を超えた重量で試験を実施した。これを受けた試験成績書には、実際に試験を行った車両重量とは異なる規定範囲内の数値を記載した。国土交通省が同日、不適切行為として認定した。

車両の試験実施後、設計変更などで車両重量が変わると再試験となる可能性がある。車両重量を法規より厳しい条件で試験すれば、騒音性能は広く保証できる。このため「再試験の工数を増やさずにすむと考えてしまった」(ホンダ)という。

ガソリン車の定格出力試験でも不適切行為があった。13年5月〜15年6月にかけ試験結果の出力値、トルク値を書き換えて記載した。一般に仕様や性能を示す諸元値に至らなかった場合、追加解析が必要になる。その誤差がわずかの場合は「ばらつきの範囲内であると考え、すでに認証を取得する機種のに書き換えた」という。

ガソリン車を巡っては、法規で定める発電機を動かした状態の試験を実施しなかったことも判明した。13年4月〜15年1月の試験で、別の同じ装置で得られた補正値を用いて数値を算出していた。

すでに社内で技術検証や実車試験などを終えており、法規に関わる完成車性能への影響はないとした。対象車種を使っている利用者については「当事案に関してご対応をいただく必要はない」(同社)と引き続き利用できるとしている。

ホンダは「今回の事象を重く受け止める」としたうえで、「コンプライアンスとガバナンス強化の観点をふまえた再発防止に全社をあげて取り組む」とコメントした。

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