シミュレーターを使ってTXの運行を再現し訓練できる(3日、茨城県つくばみらい市のTX総合基地)

つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道(東京・千代田)は3日、自前の乗務員養成所を茨城県内に新設した。これまでは西武鉄道など首都圏の鉄道5社に委託していたが、自前の施設を持つことで安全教育などを一段と充実させる。

「首都圏新都市鉄道乗務員養成所」は、つくばみらい市のTX総合基地内に設けた。平屋の鉄骨造りで、床面積は約684平方メートル。9月から運転士など動力車の操縦者15人を対象に訓練を開始。2025年5月に免許を交付する。

雪景色を再現した運転シミュレーター。雪や大雨など気象条件を様々に変えて訓練できる

一般社員の教育に使う研修施設も併設する。教材展示スペース(約390平方メートル)に、学科教習に使うシミュレーター装置や台車、パンタグラフなど電気施設に関する実物教材を配置する。

19年2月にTX総合基地内で発生した脱線事故車両の先頭部分も展示。破損した車体を見せて社員に安全意識を植え付ける。同日の開所式で渡辺良社長は「自前の施設をもつことで計画的に運転士を育成できるようになる」と話した。

2019年の脱線事故で激しく壊れた車両の先端も展示し、安全意識を社員に植え付ける(3日、つくばみらい市のTX総合基地)

TXは自動列車運転装置(ATO)を使い、最高時速130キロメートルで高速運転する。安全運行の徹底へ毎年秋にはTX総合基地で大規模な訓練を実施する。

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