出光は脱炭素技術への投資を進めている

出光興産は5日、京都大学発スタートアップのSymbiobe(シンビオーブ、京都市)と協業に向けて基本合意したと発表した。二酸化炭素(CO2)を吸収する細菌の量産技術の確立と高機能化を目指す。出光は脱炭素技術への投資を進めており、新規事業創出とCO2排出量の削減につなげる。

シンビオーブは光エネルギーを受けるとCO2などを吸収する性質を持つ「紅色光合成細菌」の製造設備の開発を進めている。CO2を取り込んだ紅色光合成細菌はアミノ酸などを製造するため、肥料や飼料として活用できるという。

24年度に出光子会社の西部石油(東京・千代田)の山口製油所(山口県山陽小野田市)で実証用の製造設備の建設を始める。山口製油所は3月末に石油精製を停止しており、出光はグリーントランスフォーメーション(GX)の拠点として活用する構想を示していた。27年度には小型商用設備を置き、生産性や採算性を確かめる。将来は国内外で製造設備の導入を進める考えだ。

出光は脱炭素技術への投資を進めており、26年3月期までプラスチックの再利用や環境負荷の小さい燃料の開発、全固体電池などに計2900億円を投じる計画だ。今後は必要に応じてシンビオーブへの出資も検討するとしている。

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