転職希望者らは理想とするボーナス額とのギャップに不満を抱いているようだ(写真は青森県十和田市役所の渡り廊下にラッピングされた新紙幣の見本)=同市で2024年6月3日午後2時23分、松本信太郎撮影

 理想とのギャップは40万円以上――。転職希望者らを対象にした夏のボーナスに関する調査で、このような実態が明らかになった。また、ボーナスの少なさを転職理由とした人は2人に1人に上り、ボーナスは会社に見切りをつける際の大きな判断材料となっているようだ。

 就職情報サイトを運営するマイナビ(東京都)は2024年5月1~7日、全国の20~50歳代の正社員のうち、24年4月に転職活動をした人と、5~7月に転職活動をする予定の人を対象にインターネット調査を実施。1342人から回答を得た。

 調査結果によると、自分の仕事に見合う理想の賞与額は平均94・8万円だったが、今年予想している夏の賞与額は、前年夏の賞与額(平均50・1万円)に近い平均51・8万円。理想と現実のギャップは43万円もあった。

 今夏のボーナスに「賃上げの機運を感じているか」を聞いたところ、62・2%が「感じていない」(「そう思わない」と「あまりそう思わない」の合計)と答えた。特に、「役職には就いていない」人では70・2%に達した。

 一方、前年夏の賞与額に納得感があるかを尋ねた結果、納得していない人(「そう思わない」と「あまりそう思わない」の合計)が53・6%と半数以上にのぼった。さらに、賞与への納得感が低い人は、自身の評価への納得感も低い傾向が調査で分かった。

 また、賞与が少ないことを理由に転職をしたことがある人は49・2%。中でも20歳代では「一番大きな転職理由だった」が35・2%で最も高く、若年層ほど賞与額の少なさが転職理由になっている実態が明らかになった。

 マイナビキャリアリサーチラボの朝比奈あかり研究員は「賞与・評価への納得感の醸成が、従業員のモチベーションと企業へのエンゲージメントを高める鍵となり、今後の定着率向上にもつながっていくのではないか」とコメントしている。【後藤豪】

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