米格付け会社のS&Pグローバルは7日、積水ハウスの長期格付けを「A」から「トリプルBプラス」に2段階引き下げたと発表した。4月に子会社化した米住宅会社M.D.C.ホールディングスの買収資金に充てるため、銀行借り入れなどを実施し有利子負債が約1兆円増加していた。S&Pは財務内容について「今後2~3年は大幅に悪化した状態が続く」と判断した。
積水ハウスはMDC社の買収に約49億9200万ドル(約7500億円)を投じた。三菱UFJ銀行などから円建てで約4182億円、ドル建てで15億5000万ドルを借り入れたことで、有利子負債は4月末時点で1兆7814億円と1月末から約1兆円増えた。
積水ハウスは6日、借り換えによって有利子負債を減らすため一部を資本とみなせるハイブリッド債(劣後特約付き社債)を発行して最大2000億円を調達すると発表した。仲井嘉浩社長は同日に大阪市内で開いた記者会見で「一時的にストレスがかかった財務規律を早期に復活させたい」と話していた。
S&Pが注目するのが、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)に対して有利子負債がどれだけあるかを示す倍率だ。24年1月末時点で1.9倍程度と1年前の1.2倍程度から悪化していた。S&Pは「2025年1月期末に年換算ベースで3倍を超える水準に大幅に悪化する」とみている。
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