米労働省が7日発表した5月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は前月比27万2000人増となり、市場予想の18万5000人を大きく上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが遅れるとの観測が強まり、外国為替市場では雇用統計の発表直後に1円以上、円安・ドル高が進んだ。
5月の就業者数の増加ペースは、今回の発表で下方修正された4月の16万5000人も大きく上回った。人手不足の続くレジャー・接客やヘルスケアなどで増加が目立った。失業率は4・0%と市場予想(3・9)よりやや高かったが、雇用環境は底堅いと受け止められた。
FRBは2024年中に金利を引き下げる予定だが、雇用環境が予想より良かったことで市場では利下げ観測が後退。高金利のドルを買って低金利の円を売る動きが活発化した。円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=156円台後半まで円安が進んだ。【ワシントン大久保渉】
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