就任の記者会見をする大阪銀行協会の半沢淳一会長(10日、大阪市)

大阪銀行協会は10日に定時総会と理事会を開き、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取を会長に選任した。同日の就任会見で半沢氏は2025年国際博覧会(大阪・関西万博)について「本格化している会場整備への投資が関西経済の押し上げ要因となる。各行が工夫をこらし、成功に向けて最大限の貢献をしていきたい」と意気込んだ。

半沢氏は「来場者が日本の伝統や文化に接して、関西や日本のファンが増えることは日本経済の持続的な発展につながる」と期待を寄せた。三菱UFJ銀としてもスタートアップ支援のプログラムを通じた新たなサービスや技術の社会実装を大阪・関西万博に向けて急ぎたいと説明した。

関西経済の状況について「物価高で消費がやや落ち込み、景気は足踏みしている」と指摘した。先行きは「実質賃金の上昇による消費の回復、企業の設備投資意欲に主導されて持ち直し傾向に入っていく」と話した。

関西経済の特徴については「インバウンド(訪日外国人)需要が大きく、輸出依存度が高い。為替相場の円安も企業収益に全体としてみれば追い風になる」との見方を示した。

証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反の疑いで三菱UFJ銀などに行政処分を課すよう金融庁に勧告することを検討している。半沢氏は「現時点で勧告が発出された事実はなく、関連する内容は答えられない」と述べるにとどめた。

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