米労働省が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で3.3%上昇した。3%台は12カ月連続。上昇率は事前の市場予想(3.4%)をわずかに下回った。欧州中央銀行(ECB)やカナダの中央銀行が今月、コロナ後のインフレ局面で初めてとなる利下げを決めた。一方で、米国はインフレが収まりきらず、利下げ開始までには時間がかかりそうだ。

 インフレを抑えるため、米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は12日まで開く金融政策を決める会合で、政策金利を据え置く見込み。また、FRBは12日に今年の利下げ回数の見通しも公表する。市場は、3月に「3回」とした年内の利下げ見込みがどう修正されるかに注目する。利下げが遠のけば、円安圧力は長引く。

 米CPIは2022年6月に9.1%上昇とピークをつけ、徐々に鈍化。ただ、3%台に入って足踏みが続き、FRBがめざす2%とは距離がある。住居費が5月に5.4%上昇するなど、サービス価格の値上がりが激しいままだ。(ニューヨーク=真海喬生)

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