輸入牛肉の調達が、現地高や円安で難しくなっている

農畜産業振興機構(東京・港)がまとめた4月末の食肉の推定国内在庫量は前年同月比7.3%減の51万8049トンだった。外食で使うことが多い牛肉と豚肉で減少が目立ち、7カ月連続で前年同月を下回った。

減少が大きかったのが牛肉で、15.1%減の13万6045トンだった。前年比マイナスは8カ月連続。在庫の大半を占める輸入牛肉の調達が、現地高や円安で難しくなっており、需給が逼迫している。

豚肉は牛肉の価格高騰を受けて代替需要が膨らんでいる。一方で、欧州などからの輸入は現地の生産停滞を背景に厳しさを増している。国産を含めた国内推定在庫は19万6729トンと12.4%減り、7カ月連続で前年を下回った。

欧州などからの輸入が大幅に増える見込みはない。豚肉の国内価格は不足感から上昇しており、ハムやソーセージ、チャーシューなどを生産しにくくなる可能性がある。

鶏肉は10.5%増の16万2563トンで、5カ月連続で前年を上回った。ただ中国勢が景気の先行き懸念後退を受けて、ブラジル産やタイ産の調達意欲を高めている。日本国内では安価な食肉として家庭や外食の鶏肉消費が底堅いが、6月の輸入量は前年を下回るとみられる。

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