東レインターナショナルは余剰生地を活用した傘を発売する

東レの商事子会社、東レインターナショナルは13日、衣類の製造工程などで出る余剰生地を活用した傘を発売すると発表した。未活用材に新たな価値を加える「アップサイクル」のブランド「TSUTSU(ツツ)」の第1弾として販売する。将来的には傘の生地をさらにリサイクルすることも目指す。

傘にはスポーツウエアなどに利用し取扱量も多い合成繊維「ナイロン6」の生地のうち、製造工程や流通の過程で余ったものを使う。傘としての用途に合うよう、ナイロン6の中でもダウンコートなどに使われる高密度な生地を選んだ。余剰生地はこれまで廃棄されるケースがあった。

傘の生地は購入者が自分で交換でき、使用済みの生地は回収して化学的に分解し再利用する「ケミカルリサイクル」で資源循環する考え。傘は衣類と異なりファスナーなどがないためリサイクルしやすい。親会社の東レが手がけるケミカルリサイクル事業との連携を想定する。

価格は1万5400円。カーボンファイバーを傘骨に採用し、重さは約230グラムに抑えた。クラウドファンディングのほかポップアップストア(期間限定店)などで予約販売を始める。1〜2年後に年間3万本の販売を目指す。今後は他の素材でのアップサイクルも検討する。

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