テスラが値上げを発表した「モデル3」(23年9月、独南部ミュンヘン)=AP

【フランクフルト=林英樹】米テスラは13日、欧州で販売する主力の電気自動車(EV)「モデル3」を7月から値上げすると告知した。値上げ幅は不明。モデル3は上海工場から輸入しており、欧州連合(EU)の欧州委員会が12日に決定した中国製EVに対する追加関税の対象となっている。関税引き上げに対応した値上げとみられる。

モデル3の販売価格は4万990ユーロ(約700万円)から。値上げは7月1日からで、6月中の納車が可能であれば現在の価格で購入できる。

中国政府の補助金で不当に廉価で販売しているとして、欧州委はEUへ輸出する中国EVメーカーに対し、現行の10%の関税に最大38.1%を上乗せすると決めた。中国で生産、EUへ輸出する欧米メーカーも対象で、EUの調査に応じていれば平均で21%の追加関税を課す。

テスラは中国政府から多額の補助金を受け取っていないとして、欧州委に個別調査を要請している。調査の結果、追加関税は21%より低くなる可能性がある。EUの追加関税決定後、値上げを公表したのはテスラが初めて。

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