トヨタ自動車は14日、量産に必要な「型式指定」の認証不正が発覚して生産を止めている3車種について、7月末まで停止を継続すると明らかにした。国土交通省などによる調査が続いており、当面は生産を再開するのが難しいと判断した。また不正の影響で高級車「クラウン」の新型車の発売を延期することも決めた。
トヨタは6日から、生産子会社のトヨタ自動車東日本が運営する宮城大衡工場(宮城県大衡村)と岩手工場(岩手県金ケ崎町)で、「ヤリスクロス」「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」の3車種の生産を停止しており、28日まで継続するとしていた。7月以降も停止し、8月以降の再開時期は「未定」としている。
不正のあった3車種の生産台数は年間計約13万台で、1カ月当たりでは計約1.1万台程度となる。国交省は安全性や環境性能の基準へ適合しているかの検証を進め、出荷再開の可否を判断する。トヨタも今回不正が発覚し内部調査を続けており、6月末の完了を予定する。
影響を受ける部品メーカーに対しては、生産計画分の部品の代金を前払いして資金繰りを支援する。
また、クラウンの新型車「エステート」の生産・販売開始を延期することも明らかにした。不正の発覚した車種ではないが、不正に伴う調査が続いており「新規の認証取得を見送っているため」と説明している。これまでは24年央以降に発売すると公表していた。延期後の具体的な発売時期は明らかにしていない。
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