パパサンキュー(8839円)セットも

東京 丸の内のデパートの食品売場では、父の日にあわせて、ふだんの1.5倍から2倍程度の価格帯の弁当やオードブルの販売に力を入れています。

このうち主力の弁当はうなぎのかば焼きとローストビーフが入ったものなどもあり、平均価格は2500円から4000円ほどです。

また、精肉店ではステーキ用の国産牛サーロイン4枚とスパイスのセットが「パパサンキュー」にかけて8839円で売られていました。

夫と子どもとともに買い物に来ていた千葉県市川市の30代の女性は「物価高なのでふだんは節約して生活していますが、せっかくのイベントなのでたまにはお金を使ってもいいかなと思います」と話していました。

大丸東京店食品担当の浅川幸治さんは「円安や物価高でなかなかお客様の財布のひもは固いですが、お花見や母の日といったカレンダーマーケットは緩むので、こういう時だからこそ、ふだんよりぜいたくなものをお父さんへというコンセプトで商品を展開しています。ことしは父の日向けの品を早めに探す動きがあるので前年比プラス5%くらいの売り上げを狙っていきたいです」と話していました。

「1本1万1000円の日傘」が人気

一方、東京 池袋のデパートでは、1本1万円を超える男性用の日傘が人気を集めています。

雑貨を扱うフロアに設けられた日傘コーナーには、男性の利用が広がっていることを受けて、父の日に向けて男性用の日傘も取りそろえられています。

このうち、雨の日にも使えるアメリカの人気ブランドの1本1万1000円の折りたたみ日傘は、通常の日傘の2倍程度の価格ですが今月に入ってよく売れているということです。

靴下やシャツなどの定番商品をそろえた紳士服売り場の父の日の特設コーナーも賑わっていました。

このコーナーを担当している西武池袋本店の石井真理子さんは「遠方のお父様にしっかりこだわった良いものを送りたいという気持ちで事前に準備される方がことしは特に多いと感じます。物価高のため品物の価格は高騰していますが『晴れの日にはこだわった良いものを』と提案しています」と話していました。

専門家「特別な日はぜいたくに メリハリある消費傾向」

経済の動向や消費に詳しい第一生命経済研究所の星野卓也主席エコノミストは「近頃の消費者はふだんの生活コストはできるだけ抑えて節約するが、特別な日などイベントの際には一気にぜいたくするなどメリハリをつけて消費する傾向がある。デパートはスーパーなどより高品質なものを特別な日などに買ってもらうことに特化した業態だ。今月から定額減税が始まったことも追い風となって、消費者の側にもいつもより単価が高いものを買いたいというニーズがあるとみられる」と分析しています。

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