記者会見するアイロボットジャパンの挽野元社長(17日、東京都港区)

掃除ロボット「ルンバ」を手掛ける米アイロボットの日本法人は17日、小売店での値引きを防ぐ指定価格制度を導入すると発表した。中国メーカーなど各社が掃除ロボに参入して価格競争が激しくなるなか、あえて価格を維持することでブランド価値を守る。

値引きができなくなることで消費者が他のメーカーに流れてしまう恐れもあるが、アイロボットジャパン(東京・千代田)の挽野元社長は同日の記者会見で「売り続けられる自信がある」と述べた。

家電は一般的に小売店が価格決定権を持つ。指定価格制度により、メーカーが売れ残った在庫の返品に応じることを条件に販売価格を決められるようになった。パナソニックホールディングス(HD)や日立製作所も導入している。

アイロボットジャパンは4月19日以降に発売する新製品を対象に価格を指定する。同社のオンラインストアと全国の認定販売店が対象。販売状況によって発売後に価格を改定することもある。

手の届きやすい新製品も出す。19日から発売する「ルンバコンボ エッセンシャルロボット」の価格は3万9300円。これまでは高価格帯の機種にしか搭載していなかった水拭き機能を搭載した。専用のアプリとも連携しており掃除機をかけるスケジュール管理などができる。

挽野社長は「ルンバをはじめとするロボット掃除機の国内世帯普及率は10%を超えた。さらに普及率を高めるための主力機種として販売していきたい」と述べた。

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