▼農林中央金庫 預金や融資などJAグループの信用事業を束ねる中央機関。全国のJAグループや漁業協同組合の関連組織が出資している。JAや各都道府県の信用農業協同組合連合会(信連)から預金を集め、運用でお金を増やしてグループの経営を下支えする役割がある。農林中金と信連、個別JAの信用事業を総称して「JAバンク」と呼ぶ。

JAは個人などから貯金を集め、上部組織に預金として預ける。農林中金には最終的に64兆円(2024年3月時点)の預金が集まる。農林中金は「奨励金」と呼ぶ預金の上乗せ金利や出資者への配当でJAに還元する。融資も手掛けるが、JAや信連などとすみ分けているため多くは債券などの投資に回る。貸借対照表のうち4割強が有価証券で、貸出金は2割弱だ。

近年は国内で低金利環境が続いていたこともあり、運用資産の8割近くをドルなど外貨建て資産で運用していた。外債が中心のため、海外債券の値下がりの影響を大きく受けた。24年3月期までは最終黒字を維持していたが、25年3月期は外国債券を10兆円以上売却し損失を確定することで、最終赤字は膨らむ見通しだ。

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