「エンジンが好きなので、なくなるのは寂しい――」。19日に東京都内であったスバルの株主総会。自動車業界でガソリンエンジンなどを積んだ内燃機関車から電気自動車(EV)へのシフトが進む中、株主からはそうした声が漏れた。技術畑の大崎篤社長はどう答えたのか。
同社は脱炭素に向けて、2026年末までに4車種のEVを、資本提携するトヨタ自動車と共同開発する。30年にはEVの販売比率を50%に高める目標を掲げている。
株主の1人はこうした方針に「寂しい」と語り、「そもそも炭素がどれほど地球に影響を与えるか不明で、対策としてバッテリーは最善なのか」と質問した。
大崎社長は「科学的なところで計り知れないところは確かにある」としつつ、「とはいえカーボンニュートラル社会の実現は進めるべきだ。総合的に考え、一手段としてEVを選んで開発している」と理解を求めた。一方で、「実は私もエンジンの開発をやってきたエンジニアの1人として、内燃機関は何としても残したいという思いもある」とも話した。
大崎社長は学生時代からエンジンを研究し、入社後もエンジンを含めたパワーユニットの開発に10年あまり携わった。(松岡大将)
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