JR西日本は19日、大阪・中之島のリーガロイヤルホテルで定時株主総会を開催した

3月期決算の定時株主総会シーズンを迎えた。関西でも19日にはJR西日本や岩谷産業などが開催した。アクティビスト(物言う株主)から資本効率の向上などを求める提案を受けた企業の動向も注目される。

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JR西は大阪市内で午前10時から開き、629人の株主が出席した。「みどりの窓口」の縮小について、株主から「北陸新幹線の延伸で長蛇の列ができている」など、見直しを求める声が複数上がった。JR西は労働力が不足しているとしつつも「主要ターミナルで券売機や係員を増やして対応している」と回答した。

これまでに開催した企業では、14日の阪急阪神ホールディングス(HD)の総会で、傘下の阪急電鉄が運営する宝塚歌劇団の俳優が亡くなった問題について出席した株主から批判が相次いだ。企業統治のあり方などを疑問視し、20年以上経営トップを務める角和夫会長の辞任要求も出され、取締役選任への賛成比率は57%にとどまった。

アクティビストの提案を受けた企業の総会がこれから続く。大阪製鉄と淀川製鋼所は、ストラテジックキャピタル(東京・渋谷)からPBR(株価純資産倍率)1倍以上をめざす計画作りと開示を求める。京阪神ビルディングも不動産の含み益を加味した修正PBRを1倍以上に引き上げるよう求められ、反対の意向を表明している。

学習塾「第一ゼミナール」を運営するウィザスは、シンガポールの投資ファンド、グローバルESGストラテジーから、株主還元の拡充を求められている。生駒富男社長の選任にも反対されている。

ダイキン工業は竹中直文専務執行役員が取締役に選任されれば、総会後に開く取締役会を経て社長兼最高執行責任者(COO)に就き、十河政則社長兼最高経営責任者(CEO)が代表権のある会長兼CEOとなる。会長を退任する井上礼之氏に「特別功績金」として43億円を支払うことを盛り込んだ議案も総会に諮る。

日立造船は社名を「カナデビア」に改める定款変更議案を付議している。賛成を得られれば、10月から新社名となる。

大阪府警によると、集中日となる27日には大阪府内で約60社が開く。

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