長野県の6月定例県議会が20日に開会し、阿部守一知事は議案説明の中で、ホテルや旅館の宿泊者に課税する「宿泊税」について2026年4月の導入を目指すと述べた。「観光振興税(仮称)」を観光MaaS(次世代移動サービス)の実装やマウンテンリゾートの整備、広域DMO(観光地域づくり法人)の機能強化の財源にする考えだ。

阿部知事は議会後の定例記者会見で「世界水準の山岳高原観光地をつくるためには財源確保が必要」と説明。その上で、「総務省との協議もあるが、最速での導入を目指したい」と意気込みを語った。税率や免税点など具体的な制度設計については今後検討を重ねる。

長野県では軽井沢町や白馬村、「昼神温泉」のある阿智村などで宿泊税導入に向けた検討が進んでいる。白馬村は18年に「白馬村観光振興のための財源確保検討委員会」を設置。リフト利用者や別荘所有者への課税など他の財源候補も含めて検討してきた結果を踏まえ、24年度に宿泊税検討部会を設置した。

3月に開かれた阿智村の検討委員会では、税額について宿泊料が1人1泊で2万円未満なら200円、2万円以上なら500円が適当とする結果を公表した。

県は徴収した税収の一定割合を市町村に交付金として交付する考え。今後、独自の宿泊税導入を検討する市町村と調整するほか宿泊事業者からの意見集約も進め、早期の導入を目指す。

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