ソフトバンクグループの株主総会に出席した孫正義会長兼社長(中央)=東京都江東区で2024年6月21日午前10時50分、猪飼健史撮影

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は21日、東京都内で開かれた同社の定時株主総会で「この1年、複雑な連立方程式を解いてきた。ドーパミンが出ている。もうろうとした意識の中で、そういう時にふっとアイデアが出る。今日はそれがついに解けた」と笑みを浮かべた。

 その課題が「今朝4時に解けて『やったー』って慌てて米国に電話しまくって、いろいろ確認した。今日は総会とかじゃない。うれしくてしょうがない」と孫節を展開すると、会場から拍手が起きた。

 課題とは「ASI」(人工超知能)のことだと明かした。孫氏は昨年から、AGI(汎用=はんよう=性のある人工知能)が「人類の英知の総和の10倍」と定義し、「取り組んだ企業や人物が10年後、20年後に一気に人類のリード役になる」としていた。この日は、ASIがそれを上回る「1万倍の英知だ」と強調。ASIを活用して「人類を進化させる。僕がこの使命を決意したのは昨年6月。我々にできるか、この点だけを1年考えてきた」と述べた。

 一方、英半導体設計大手アームが昨年上場し、保有株式価値から純資産を差し引いた時価純資産(NAV)が直近1年間で14兆円から34兆円に増えたとした上で、「SBGの壮大な使命に比べたら、そんなの誤差だ」と語った。【藤渕志保、古屋敷尚子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。