北総鉄道(千葉県鎌ケ谷市)が20日発表した2024年3月期決算は、純利益が前の期比6.5%増の18億7200万円となった。売上高に相当する営業収益は4.5%減の133億1200万円。2000年3月期末には447億円に達した累積損失の解消を経て、22年に実現した運賃値下げ後初の通期決算は減収増益となった。

北総鉄道は24年3月期決算を発表した

新型コロナウイルス禍の落ち着きや22年の運賃値下げの効果で輸送人員は9.4%増の3862万人。19年度比で1.3%減の水準にまで回復した。

定期利用の輸送人員は8.3%増、定期外は11.4%増だった。通学定期の値下げ率を64.7%とした効果で、通学利用が増えた。同社によると、北総鉄道に乗りやすくなったため沿線の高校では広範囲から入学する生徒が増えたとの声も聞くという。

ただ輸送人員は増えたが、いまだ541億円の有利子負債を抱えており、厳しい経営環境は続く。同社は「安全・安心な輸送を維持しつつ、経費節減に努めていきたい」としている。

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