大林組は21日、ホタテの貝殻を使った建築向け接着剤をセメダインと共同で開発したと発表した。一般的に原料として石灰石由来の炭酸カルシウムを使うが、そのうちの3割を廃棄予定の砕いたホタテの貝殻で代用した。二酸化炭素(CO2)排出量を削減しながら、一般的な製品とほぼ同等のコストと性能を実現した。
今回開発したのは、壁の隙間を埋めるシーリング材「スキャロップシール」。2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で大林組が手がける展示館「ウーマンズパビリオン」でも使われている。
ホタテは成長の過程で海中のCO2を吸収する性質がある。貝殻を再利用することでシーリング材1キログラムあたり約0.5キログラムのCO2削減につながる。ホタテの貝殻は燃えにくいことから、処分が難しいという課題もあった。
大林組は30年度、供給網全体のCO2排出量である「スコープ3」を19年度実績から27.5%減らすことを目指す。
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