九州大は17日、熊本県に進出した台湾の半導体受託製造世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)と包括連携の覚書を締結したと発表した。半導体分野の研究と人材育成で協力関係を発展させる。TSMCの技術者らが九大で講義するほか、台湾のTSMC本社で学生のインターンシップを受け入れる。
締結は1日付。研究と人材育成の2本柱で、学生と指導教員への研究奨励金の給付▽両者間での共同開発プロジェクトの締結やワークショップの実施――にも取り組む。
講義は8回で、修士課程の学生を主な対象として、TSMCや子会社の技術者・研究者が最先端の半導体技術について教える。九州にある8大学にもオンラインで配信する。初回の講義が12日にあり、少なくとも148人が受講した。
TSMC本社での夏期インターンシップは、学部3年生以上が対象で約1カ月間。就労ビザや往復航空券、寮も同社が準備し、製造現場に入るという。
九大の白谷正治副学長は記者会見で「TSMCも半導体の人材不足を解消するのが大きな狙い」とし、「シリコンアイランド九州ということで、将来を担う人材を九大を中心に輩出していきたい」と語った。【山口響】
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