日本銀行本店=東京都中央区で2019年9月、後藤豪撮影

 日銀は24日、今月13、14日にあった金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。一部の政策委員は、足元の円安進行により物価の「上振れリスクも出てきている」としたうえで、「(2%の物価安定)目標実現の確度の高まりに応じて、遅きに失することなく適時に金利を引き上げることが必要」と追加利上げの必要性を指摘した。

 歴史的な円安・ドル高水準が定着する中、会合では追加利上げを巡って活発な意見が出された。他の委員は「円安は物価見通しの上振れの可能性を高める要因」と指摘したうえで「適切な政策金利の水準はその分だけ上がると考えるべきだ」と述べた。また、「リスクマネジメントの観点から金融緩和のさらなる調整の検討も必要である」など利上げに前向きな考えを示す委員もいた。

 一方、「消費者物価が明確に反転上昇する動きや、中長期の予想インフレ率の上振れなどを経済指標で確認してからで良い」として、追加利上げの検討は時期尚早という姿勢の委員もいた。

 日銀は今月の会合で国債買い入れを減額し、保有資産を段階的に縮小する量的引き締めを事実上始める方針を決めた。国債の買い入れ減額は「拡大した日銀の市場への関与を減らしていくことが目的であり、金融政策とは切り離して行う」「市場との対話も含め、ある程度の時間をかけて慎重に検討すべきだ」などの意見があった。【浅川大樹】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。