パナソニックホールディングスが24日に大阪市内で開いた株主総会では、低迷する株価や女性役員の少なさを指摘する声が株主からあがった。楠見雄規社長は「皆様の期待に応えられていない」などとし、改善を約束した。

 大阪市中央区のホテルで開かれた総会には748人の株主が参加した。事業報告のあと、事前に寄せられたものも含めて楠見社長が株主の質問に答えた。

 昨秋に一時1800円近くあった同社の株価は、現状は1300円ほどに低迷。株式時価総額が純資産の何倍あるかを示すPBR(株価純資産倍率)は0・67倍だ。「1倍割れ」は株主などから調達したお金を効率よく使えていないことを意味し、東京証券取引所が経営改善を求める企業の一つとなっている。

 「経営者としての責任をどう考えているのか」という質問に対し、楠見社長は「車載用の蓄電池や欧州の温水給湯暖房機の市況が大きく変化し、大幅な目標未達になったこと」などを株価低迷の要因に挙げ、グループを挙げて業績の改善に取り組むと説明した。

 取締役・執行役員19人のうち女性は4人、主要7事業会社のトップはいずれも男性という状況には、「ひな壇にいる人の中に女性が非常に少ない。(一定割合を割り当てる)クオータ制を採り入れて欲しい」との要望があがった。

 楠見社長は「実は役員よりも課長、部長職の方が女性比率が少ない。昇格のハードルが高く、子育てとの両立も難しいという問題があり、社内の制度を見直してきたところ。女性役員の割合は早期に30%にしたい」と答えた。(清井聡)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。