塩野義は新型コロナウイルスワクチンで事業拡大を目指す(開発の様子)

塩野義製薬は24日、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンが同社として初めて厚生労働省の製造販売承認を得たと発表した。今回のワクチンはウイルス発生初期の起源株を対象としている。実用化の予定はないものの、変異ウイルスに対応した今後のワクチン展開につながる第一歩となる。

塩野義は次の段階として変異ウイルスに対応したワクチンの開発を進める。変異ウイルス向けでも再度承認を得ることができれば、その後は治験(臨床試験)なしでワクチンを開発することが可能になる。2025年冬に流行する変異ウイルス向けで初めての実用化を目指す。

承認されたワクチンは「組み換えタンパク型」と呼ばれる仕組みを採用している。従来のインフルエンザワクチンなどと同じ製法で、新型コロナワクチンの主流である「メッセンジャーRNA型」よりも発熱などの副作用が小さいという。

塩野義は22年11月に国内の製薬会社で初めて新型コロナワクチンの承認を申請。23年7月に厚生労働省の部会では有効性を評価するためのデータが十分でないなどとして継続審議となっていた。国内メーカーでは第一三共などがすでに新型コロナワクチンの承認を得ている。

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