総務省は25日、ふるさと納税のルールを見直すと発表した。自治体に対し、ポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付の募集を来年10月から禁止する。サイト間のポイント競争が過熱しており、サイトの運営事業者に支払う自治体の経費がかさんでいることが問題になっていた。

 仲介サイトは、自治体への寄付の受け付けや運営を担っている。自治体側は事務作業やPRの手間を省くことができ、利用者も簡単な手続きで寄付できるとして利用が広がっている。サイトが利用者を囲い込むために、ポイントの還元率を高める過剰なキャンペーンを行ってきた。

 仲介サイトは楽天ふるさと納税、さとふる、ふるさとチョイス、ふるなびの大手4社で9割以上のシェアを占める。最大手の楽天はポイント還元によって急成長したとされる。

 ふるさと納税には返礼品や仲介サイトへの手数料といった経費の割合を「寄付額の5割以下」とするルールがある。少なくとも寄付額の半分は自治体に入るようにしたものだ。それでも、仲介サイトが手数料の一部を5割ルールの枠外で徴収する慣行が広がり、総務省はすべての経費を5割に含むようルールを厳格化するなどしてきた。

 松本剛明総務相は「ふるさと納税は返礼品目当てではなく、寄付金の使い道や目的に着目して行われることに意義がある」とした上で、「制度の適正な提供を確保しながら、自治体の取り組みを後押ししていきたい」と語った。(奈良部健)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。