三井不動産は25日、飲食店のメニューを販売代行する新会社を設立したと発表した。全国の飲食店と連携し、食材の調達や調理、配送までを一貫して手掛ける。料理を冷凍して配送することで、消費者は自宅にいながら店舗の味を手軽に楽しめる。海外への輸出も視野に入れており、2030年に売上高50億円を目指す。
新会社名はミタセルジャパンで、本社は東京都中央区に置く。子会社設立を機に三井不の社内起業制度を通じ2023年にサービスを開始した「ミタセル」の本格展開を始める。
ミタセルは契約した飲食店から、のれん代と引き換えにメニューのレシピを受け取り、セントラルキッチンで調理して冷凍し配送するビジネスモデル。客単価は1500〜2000円程度で、顧客は60歳以上のシニア層が中心だという。
現在は調理の工程を協力会社に委託しているが、25年秋までに三井不の物流施設三井不動産ロジスティクスパーク船橋(千葉県船橋市)内にセントラルキッチンを新設して内製化するほか、マンションや商業施設に自動販売機を設置するなどして相乗効果を生み出す。
ミタセルの松本大輝社長は「日本の飲食業は世界からも高い評価を受ける産業でありながら、立地や客席数が売り上げの制約となっている」と述べ、ミタセルのプラットフォームを活用することで飲食店の新たな収益源になると説明。「将来はアジアの富裕層に向けても拡大したい」としている。
「博多もつ鍋やま中」(福岡市)といった有名店に加え、新型コロナウイルス禍で閉店した「中華蕎麦りんすず食堂」(東京・江東)などがレシピを提供している。現在は34店舗が参加しているが、26年までに100店舗まで増やす計画だ。
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