【フランクフルト=林英樹】航空機大手の欧州エアバスは2024年の航空機の納入目標を従来の800機から770機に下方修正した。下方修正の幅は4%。ジェットエンジン部品の供給が滞り、生産ペースが落ちている。この下方修正を受け、25日の株価は一時、前日比で18%下落した。
エアバスは24日、24年12月通期の業績予想を下方修正した。特に主力の小型機「A320」向けエンジンで調達難が続いており、A320の月産機数を75機体制に引き上げる時期を26年から27年に後ろ倒しすると発表した。
通期の調整後EBIT(利払い・税引き前利益)の見通しを55億ユーロ(約9400億円)とし、最大70億ユーロだった従来予想から引き下げた。ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は同日のメディア向け電話会議で「部品調達の問題は好転しておらず、予期しなかった状況に陥っている」と語った。
ライバルの米ボーイングが品質問題から生産ペースを落とすなか、世界の航空大手は中大型機を中心にエアバスへの切り替えに動いていた。エアバスの下方修正で旅客機不足に拍車がかかる可能性が出てきた。
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