【フランクフルト=林英樹】自動車大手ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は25日、米国の電気自動車(EV)新興、リヴィアン・オートモーティブに最大50億ドル(約8000億円)を投資すると発表した。リヴィアン本体に出資するほか、共同出資会社も立ち上げる。共同で次世代EVを開発するとしている。

VWはリヴィアン本体にまず10億ドルを出資する。さらに24年10〜12月中にリヴィアンと自動車のソフトウエアを主に開発する共同出資会社を立ち上げ、26年までに40億ドルを追加で投資するとしている。新会社は折半出資となる見通し。協業を通じて開発する新型車は20年代後半に発売する計画という。

共同出資会社で、ソフトが車の性能や機能を決めるソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)の開発を進めるとしている。

VWのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は同日「自動車に最適な価値を迅速かつ低コストで提供できるようになる」とリヴィアンへの出資の狙いをコメントした。

リヴィアンはEV専業で、テスラに次ぐ新興企業として期待されてきた。だが、米国市場のEV販売の減速で収益拡大に苦戦しており、最終赤字が続いている。24年1〜3月期の最終損益は14億5000万ドルの赤字だった。

米国では、リヴィアンと同じくEV専業の新興企業であるフィスカーが18日、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。最大手のテスラも含め、EVメーカーを取り巻く経営環境の厳しさが増している。

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