東洋証券は26日朝、株主総会の開催前に取締役会を開き、会社が提案する予定だった取締役8人を選任する議案のうち、桑原理哲社長の再任案を撤回したと発表しました。

撤回の理由について会社は、事前投票の状況から、株主の十分な信任が得られていないとして、桑原社長が取締役の再任の辞退を申し出たためだとしていて、桑原氏は26日付けで社長を退任しました。

東洋証券に対しては、複数のいわゆるアクティビストが議決権ベースで、合わせて30%近くの株式を保有し、このうち「UGSアセットマネジメント」が、このところの業績不振に加え、株主軽視の態度が目立つとして、桑原氏を含む会社の取締役選任案に反対する意向を表明し、別の取締役5人を選任する株主提案を出していました。

そして、総会では、
▽会社が提出した7人の取締役選任案について、6人が可決された一方、1人が過半数の賛成を得られず否決され
▽株主側の提案は、反対多数で否決されました。

株主総会の開催直前に、会社が社長の取締役再任案を撤回するのは異例のことで、会社の経営方針に対する株主の厳しい見方を浮き彫りにした形です。

出席した株主からは「不安」の声も

東洋証券の株主総会に出席した60代の株主の男性は「社長が退任になるということで、今後、会社の経営がうまくいくのか不安に感じる」と話していました。

また、50代の株主の男性は「新しい株主が、時価総額を上げられるような提案をするならよいが、今回は、どんな株主が提案をしたのかもわからず賛同できなかった」と話していました。

一方、別の60代の男性は「企業のマネジメントには難しさもあると思うが、株主構成が変わる中で、上場企業にとっては、わきをしめていかないと、こうして狙われてしまうということなのではないか」と話していました。

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